会長挨拶
日本音楽表現学会のホームページにようこそ!
本学会は、音楽表現の可能性を学術的に追求することを目的として、2003 年設立されました。会員は、大学等の研究機関の研究者やそのOB、学校等の現職教員、フリーの演奏家、音楽教室指導者、音楽愛好家等幅広く、その数は現在600余名です。
会員一人一人のアプローチは、演奏や舞踊を含むパフォーマンス、創作活動、教育実践、学術研究等多様で、研究対象も西洋クラシック音楽、日本音楽、世界のさまざまな音楽、メディアアート、その他の幅広いジャンルにわたります。設立以来、会員が手を携えながら音楽表現に対する学術的アプロー チという新しい分野を拓き、日本学術会議協力学術研究団体にも登録されました。
本学会の主な活動としては、 毎年6月に全国各地持ち回りで開催される大会、年1回の機関誌『音楽表現学』、および年3回の情報交換誌「ニューズレター」の発行があります。また、2024年度からは学会創立20周年記念事業の1つとして、公募による「助成コンサート」を導入しました。今後の発展が期待されるところです。
さて、毎年ユニークなテーマを立てて開催される大会は、なかなか訪れる機会のない地域の文化、社会、自然環境を知り、開催地ならではの音楽に触れる機会にもなります。また、実演を交えながらの研究発表等に参加して議論に加わったりすることで、会員が相互に刺激を受け、新たな創意と研究を生み出し発展する場でもあります。大会参加を楽しみにしている会員がどれほどいるのかは、その研究発表数からも明らかです。新人からベテランまで、経験を問わない会員同士の交流の場ですので、臆せずに参加していただければと思います。
私自身は作曲を専門にし、オーケストラ、室内楽、声楽などの作品発表活動をしておりますが、一方で、即興演奏の実践・研究を続けてきました。近年は、現代における即興表現の必要性は、先ず『応用演奏力を身につけ、高いレベルで「音楽で遊べる」力を身につけさせることにある』という考えのもとに、応用演奏力を育むためのプログラム開発などを行っています。即興表現の研究には実践とその振り返りが必要ですが、本学会では『実演を伴った研究発表』が可能であり、これが本研究の大きな力となっております。
日本音楽表現学会は、一言でいえば、音楽表現に関する懐の大きい学会です。当学会の活動趣旨に賛同される方々のご入会を心よりお待ちします。